まむし丼 :鮒末
そろそろ帰ろう、と門の外へ。
東寺の北西側には
【東寺餅】さんのお店があって
弘法さんの市の日限定の『焼き餅』を焼いていらっしゃいます。
今日もよく売れたようで、白い方は売れ切れ
よもぎ餅の方だけ残っていました。
その向こう(北)に目をやると
少し、煙が上がっているお店が一軒。
店頭に炭が入った箱が置かれ
その向こうで
ウナギが焼かれておりました。
看板を見上げると【鮒末】とあります。
鰻(うなぎ)屋さんかあ、と
炭火の上でじりじりあぶられ香ばしそうな鰻を見ていると
焼いていた店主のおじさまが
『今日は丼がありますよ』
丼?って、中で食べられるのですか?
『そう、そっちで』
と おじさま、ウナギの寝床状の土間の方を指します。
土間の右に上がったところがお座敷になっていて
そこで食べられる模様。
丼っておいくらですか?
『1200円』
時間も1時過ぎ、お腹の空き具合もほどよい感じですし。
店頭で焼かれている鰻、見るからに美味しそうなので
食べていくことにしました。
中には机がいくつか並び
常連さんらしき方 弘法さんの市帰りらしき方で
そこそこ席は埋まっています。
後から来るお客さんも 皆注文するのは丼で
お吸い物(300円)を付ける人もいました。
お会計は現金先払い制なので、丼をお願いし
机の上にあるやかんから自分でお茶をくんで
先ほどの市で買った柿がいくつ入っていたのかなと数えたり
古そうな家の中をながめながら、のんびり待ちます。
先ほど見た土間も こちらのお座敷も
昔ながらという感じで、実に落ち着く。
入口近くに 本当に骨董という感じの黒電話がありましたが
あれは現役なのかなあ。
ほどなくやってきた丼。
お値段がお手頃なので 量はそんなにありませんが
味は文句なく、おいしいです。
香ばしく絶妙の焼き加減の鰻と
からめられたタレがうっとりするほど美味しい。
ちなみに
鮒末さんは 基本お持ち帰り専門のお店で
お店の中で食べられるのは
月に一度の「弘法さんの市」の日だけらしい。
店頭に並ぶ鰻、買って帰ろうかかなり迷いましたが
市で買った柿がかなり重たいので
今日は見送ることにしました。
また次回。