気になるお守り: 天龍寺
後醍醐天皇の冥福を祈って
足利尊氏が建立したというこのお寺、
名勝『曹源池庭園』や
48畳敷きの大広間を持つ大方丈
1998年に完成した法堂の『雲龍図』など
広い敷地内に 見所がたくさんありまして
1度に全部拝観するのは大変。
とりあえず
『辰年だから龍巡り』をしている今回は
【法堂】のみにしておくことに。
本門を入って
塔頭の並ぶ参道を進んでいくと
正面には大方丈とつながる
庫裏が見えてきます。
この庫裏の手前左手にあるのが
雲龍図のある【法堂(はっとう)】
入って来た門とは反対側
奥の方が入口になっています。
1998年に完成したという『雲龍図』
たまたまこの日は 法堂に
作者の加山又造画伯と生前交流があったという
ご住職さんがいらしていたので
いろいろ面白い話も聞け楽しかったです。
この『雲龍図』の龍
ホログラムみたいに 輪郭がぶれて見えるような描かれ方をしているなあ
と 思っていたら
実際、立体的に動いて見えるのですよ。
龍の目が どこから見てもこちらを睨んでいるように見える
いわゆる「八方睨みの龍」は珍しくありませんが
この龍は、目に視線を当てながら
龍の周囲を囲む円に沿って動くと
異様に立体的に見える上
顎の角度が変わって
顔ごとこちらを向いているように見える
という 不思議な現象が起こります。
不思議の種は、『目の位置』とのこと。
こういう
「かなり最近描かれた龍の天井画」を見るのは
建仁寺に続いて、ここで2ヶ所ですが
新しい龍ならではの特徴は 「爪の数」だそうです。
昔々、「五爪の龍」を持つことができるのは中国の皇帝のみ。
爪の数が多いほど、力がある=権力があるというわけで
朝鮮・台湾だと「四爪の龍」
日本だと「三爪の龍」しか許されなかったと。
現代では そういう制限が無いので
建仁寺と天龍寺の龍だけは「五爪(ごづめ)の龍」
『南禅寺や東福寺の龍を見てみー、爪三つやから』
と ご住職さん。
さて
今回天龍寺へは、「龍神巡り」として拝観に来たわけですが
もともと 雲龍図のためだけではなく
どうしても気になることがあって訪問するつもりでおりました。
その理由が
『ダルマのお守り』。
天龍寺ではなかったかもしれないのですが
昔々、子供時代 どこかのお寺で
『目が出るダルマ』というお守りを見たことがあり
子供心にも
「このセンスはいかがなものであろう」
と あきれた品がありました。
それからウン十年
ある本に 正にそれにそっくりなお守りが載っていまして
「まだ販売しているんだ!?」と ある意味感動。
それが販売されているのが天龍寺とわかり
敬意を表して、この度 購入しようと決めていたのです。
法堂手前にある お守り・お土産販売コーナー
売り場の左手の方に
ありました、『目が出るダルマ』。
これです。
昔は300円くらいのものだったと思いますが
物価が上がっているので
現在は500円。
親指の爪ほどの小さなダルマさんでして
傾けると
その名の通り 目が出ます。
横から見ていただくと よくわかるかと。
ちなみに このダルマさんの頭頂部には
小さなレンズが付いていまして
覗くと 法堂の『雲龍図』が見えます。
これで500円は お買い得かもしれない。
昨日、お出かけ前には、まだこの記事を拝見しておらず・・・・。
お土産を購入なさるなんて、めずらしいなー、へぇーという程度でしか、ダルマさんをみておりませんでした。
次回お会いした際には、しっかり「目玉」を見るべく、ご尊顔を拝したいものです。