祇園閣(ぎおんかく) :祇園
『銅閣(どうかく)』って ご存知でしょうか。
高台寺の西側に『ねねの道』と呼ばれる通りがあるのですが
この『ねねの道』の北の突き当たりに
【大雲院】というお寺があります。
今年の『東山花灯路』では
この南門の前で 生け花の展示イベントがありまして
たまたま、その準備をしているところに居合わせ
3~4人がかりでの『巨大な生け花』作業を感心して眺めていたのですが
ふと 左側を見上げると
何 この
祇園祭の山鉾みたいな塔。
下の方は石垣のような作りですが
上の方は 天守閣のようで
屋根は山鉾のような形。
しかも、上に何か飛んでます。
これが
神戸の異人館なら風見鶏
金閣寺なら鳳凰(ほうおう)ですが
これは
鴨なのか鶴なのか。
…翼の感じからすると鶴?
屋根は金属らしいので
どう考えても そんなに古い建築物ではないけれど
つい最近建てられましたっていう感じでもない。
古さで言うと、明治の終わりか昭和初期
それこそ神戸の異人館くらいかなと思われる。
で 帰ってからも気になって、調べてみました。
そうしたら、この建物
ホテルオークラで有名な大倉財閥創始者である
大倉喜八郎が、伊東忠太に建てさせたもので
【祇園閣】と呼ばれているらしい。
大倉氏の別邸として造られたこの建物ですが
もともとは金閣・銀閣に続く『銅閣』を作りたかったらしく
今でも本当に『銅閣』と呼ばれるそうです。
ちなみに
てっぺんにいる鳥は
金鶏(きんけい)という人もいれば
鶴だという人もいて、どちらが本当なのかは謎。
大倉氏の幼名が「鶴吉」なので
名前にちなんで「鶴」であろう、という説もあります。
あまりに突き抜けたデザインで
いいのか悪いのかわからない不思議建物。
京都タワーよりは 風景に馴染んでいるかな…