栖園 琥珀流し
京都の有名な和菓子を食べ歩こう!
と あちこち和菓子屋さんめぐりをしましたが
その時初めて知ったのが、栖園(せいえん)の琥珀流し。
栖園の店自体は、前を何度も通っていたので知っていましたけれど
明治創業の和菓子屋さん【大極殿(だいごくでん)】のお店だという事は全然気付かず
入ってみて、並んでいる商品を見て初めて
「あれ、このお菓子、他で見たことが・・・」と気付いた(笑)
琥珀流しは、ゆるゆるに固めた柔らかな寒天片に
月変わりの蜜をかけた シンプルな冷菓子。
2009年
4月 【桜蜜】
初・琥珀流しを いただきました。
蜜は、桜。(桜の塩漬けと 白蜜)
やさしい桜のピンクが透明な寒天と蜜の上に散り
見た瞬間、「綺麗~!」と歓声が上がります。
この日は、ちょっと汗ばむほど天気がよく暑かったので
さっぱりした白蜜の冷菓子は とっても嬉しい。
ひんやりと柔らかな寒天と、 ふわりと桜が香る桜の塩漬けの組み合わせは
『春のかけらを食べている』ような楽しさです。
見て美しく、食べて美味しい。
これで、はまってしまいました。
来月はまた違う蜜になるの?どんな味?
5月 【抹茶】
抹茶の風味香りがしっかり。上に乗っている小豆がおいしい。
かなり甘い蜜なので、薄まる心配なく しっかり混ぜていただきます。
6月 【梅酒】
お酒の風味がけっこう強いです。
甘く煮られて柔らかくなった梅がごろん。
梅酒好きにはたまらない味。
7月 【ペパーミント】
ミント?「和」のイメージじゃないのでびっくり。紫蘇じゃないよね?
色は鮮やかなペパーミントグリーン。綺麗だなー。
食べてみると、ストレートにミント。さっぱりだけど甘い。
「添えられる飲み物がサイダー」というところが 良いですね♪
8月 【冷やし飴】
先月があれなので、なんとなくほっとしてしまう(笑)。
冷やし飴のやさしい甘さ、上に乗せられた生姜がおいしい。
夏らしいなー。生姜好きなので、嬉しい。
9月 【葡萄】
柔らかな葡萄のゼリーみたいなものと、干し葡萄とが乗っているみたい。
食感の違いがおもしろいです。
…と、ここまでが 2009年。
この年 10月から猛烈に忙しくなって、この後通えなくなりました。
2010年
10月 【栗小豆】
待つこと一年、長かった・・・
やはり今年も忙しかったのだけど、2年も待ちたくないので強引に行きました。
閉店近い時間に入ったためか、小豆は 最後のをさらいました という感じの
やや 「こし餡」ぽくなった部分もあり
栗は何故かごろんと2粒、刻まれずに乗せられてきました。
美味しいけれど、さじで栗を刻むのは難しかった・・・
作り方が変わったのかな?と思ったけれど
実際のところ、お店の人が忙しすぎて 刻むのを忘れたのではないかと。
来年、確かめてみようと思います。
11月 【柿】
鮮やかなオレンジ色の蜜。
つるつるさっぱりの寒天に濃ゆいくらいの柿の蜜が丁度いい感じ。
付いて来たのは玄米茶かな?
甘々になってしまう口をさっぱりさせて、次の一口を美味しくしてくれます。
シロップ状になっている柔らかな柿は 代白柿(だいしろがき)。
飾りと食感のアクセントに乗っているカリっとした柿は 富有柿(ふゆがき)。
お店の人に聞いてみると、
代白柿は とても大きな渋柿で、
(このくらいの大きさになります、と手で示してくれた。ソフトボールくらい?)
熟すと それはそれは柔らかく甘くなるのだそうな。
富有柿の方は、固いままいただける甘柿。
そうか、渋柿・甘柿コンビの味なのね。
12月 【黒豆】
とうとう、琥珀流しの『月替わり蜜』も これで最後。
こっくりと甘い黒蜜と、ふくふくと柔らかく煮られた黒豆。
つやつやと光る黒豆が美しいです。
12月だけど、一足お先に お節を食べているような楽しさ。
蜜は十分に入っているので
遠慮せず たっぷりすくっていただきます。
最後に味が薄くなるかもー と遠慮しいしい食べていると
最後に黒蜜がどどーんと残ってしまって、もったいない。
冬に 琥珀流しは寒いかな?と思ったけれど
お店の中は当然暖房が きいていますし
氷ではないので、そんなに冷えない。熱々の玄米茶もついています。
そもそも、黒蜜や黒豆って 薬膳では身体を温める食材。
四季折々目を楽しませてくれた坪庭。
来年の春まで、しばしのお別れです。