音無の滝
ほどなく道は舗装道路から 土の地面に。
右手に見える呂川に沿っていけば良いですよね、と
坂を上がっていきます。
地面は杉の落ち葉で ふんわり柔らかく
雨にぬれて少々すべりやすいですが
気を付ければ大丈夫。
ちなみに本日の足元
天気が良ければ スニーカーで来たところですが
雨が残っていたので、レインブーツです。
滝へ行ったことがある友人の話では
途中、川を渡るところがあって、そこが
『水量が多い時だと足が水に浸かるような場所』との事なのですが
多少水をかぶるような場所でも
レインブーツなら しのげる・・・と思う。
来迎院手前で見た案内標示によれば
徒歩10分、300mの距離だという『音無(おとなし)の滝』
坂道の300mって、平地と感覚が違うので
距離感がつかみ難い。
かつ「音無の滝」の道標が見当たらないので
この道で良いのか いま一つ自信が持てません。
途中、呂川から左に離れる方向に道が曲がって
これで合っているのだろうかと心配しつつ上がると
ようやく、道標発見。
この表示、手前の道が川から離れる地点にもう一つ欲しいです。
ともあれ、これで道は正しいとわかったので
安心して進み、やがて小さな橋のかかる場所に。
たぶん、これが友人の話していた「水量が多いと渡れない場所」。
レールのような鉄枠に コンクリートを流し込んだ
シンプルな1本橋です。
この幅と長さが
どこか行者橋を思い起こさせます。
川面すれすれの高さなので
台風で水量が増えているような時だったら
橋の上を水が勢いよく流れる事になりそう。
幸い、今日は足が濡れる心配なく
渡ることができます。
橋を渡って向こう側、
いきなり急な斜面を上がり
道が少々険しくなります。
もう、普通に山道。
先ほどの橋の場所に
滝まで徒歩5分とありましたが
すべりやすい道をさくさく上って
到着。音無しの滝です。
ちゃんとした滝だったんだなあ、と変な感想を思いつつ
(途中、コンクリートで整備された人工的な滝もたくさんあるので)
しばし、滝に見とれました。
雨もやんで、滝を鑑賞するにはよいコンディション。
この滝壺に落ちた水が流れ流れて
先ほどの参道横の呂川につながり
やがて高野川、鴨川へつながっているのかあ、と
少し不思議な気持ちになりました。
ようやく見られた、音無しの滝。
声明の声と調和して音が聞こえなくなった
という伝説からきた命名だそうですが
確かに、高過ぎず低すぎないピッチ
水量からして人の声をかき消すほどの大音量でもなく
深みのあるお坊さんの声なら ほどよくなじんでいきそうだなあ
と思いました。
大原の名所がようやく見られて満足です。