ハロウィンに写経 :薬師寺
8月末・9月頭と
奈良のお散歩へは2度行っております。
2度目に行った【薬師寺】には「写経道場」という施設があり
この時は時間が無くて断念しましたが
やってみたかったなあ、と心残りでありました。
珍しく休業日となった土曜日は 10月末日、ハロウィン。
その手のイベントを見に行くという考え方もありますが
いっそ、全然無関係な方向へ行くのも良いのではないかというわけで
本日のお散歩目的は
お寺で写経です。
利用するのは3回目となる【奈良・斑鳩1Dayチケット】を購入し、
近鉄奈良橿原線の「西の京」駅へ。
駅から玄奘三蔵院伽藍方向への参道を進み
写経道場に到着。
入口の外で靴を脱いで建物の中に入ると、
右手の受付にいらっしゃった係の方が
「写経ですか?では そちらの申込書にご記入お願いいたします」
見ると、郵便局の記入台のような物があり
申し込み用紙が置かれています。
氏名・住所・写経が初めてか何回目か などを記入し
納経料2000円を納めて、いよいよ写経道場へ。
先ほど入って来た入口からまっすぐ進むと
左手に お坊さまの像が1体。
『そちらは 高田好胤管主の像です』
薬師寺の伽藍再建のために
貢献なさった管主さまですね。
ちなみに
『写経へ行くなら一緒に行く!』
と この日同行した方は
まだ若い頃の好胤さんに
直接お会いした事があるそうです。
この像の前に道場の入口があり
廊下を進むと台が一つ置かれていて
ここにある器から
「丁子」の実を一つ出して
口に含みます。
基本写経は無言で行うものなので
しゃべらないように、という事もあるのかも。
道場の後ろ側に 象の形の大きな香炉が置かれているので
これをまたいで(これも身を清める意味がある)
道場の好きな場所に座ります。
机の上には お手本の般若心経と硯・墨・水入れなどがセット済み
お坊さまが1名、先ほどの丁子や香炉をまたぐなど
写経の作法について説明してくださいます。
写経の方法についての説明書もあり、それを読むと
『写経前にお経を読む』とあります。
机の上には経文が置かれているので じゃあ、読みましょうかと手に取ると
『それを読んでいると時間がかかりますから
もう読まないで書き始めていただいて結構です。
書き終わりましたら 前の香炉の上で経を2・3度回し、清めてからお納めください。』
・・・はしょれるところは はしょって良いらしい。
写経を申し込んだ時渡された
「輪袈裟」を首にかけ、いよいよ写経開始。
小学生以来の墨を磨る作業。
どのくらい磨れば
書きやすい濃さになるのやら
そろそろ良いかな、と
試し書き用の紙で濃さを確かめます。
下に敷いた手本の字を見ると
自分の字とは微妙にバランスが違う書体で
なぞろうと思うと、かえって
バランスが狂ってしまうため
おおまかに位置を確認する程度にして
『自分の字』で書いていきます。
日常書く漢字も、筆で書こうとすると
書き順が???となったりしますし
日常書かない字に至っては
書く前に お手本を凝視して頭に入れてから一気書き。
慣れてくると、スピードも上がってきますが
それでも 結構時間がかかりました。(2時間弱)
疲れは全く感じませんが
10時頃から始めたので、書き終る事にはお腹が空いてきました。
書き上げた経を前の台に収め 写経終了。
道場の手前には休憩室がありまして
ここでセルフサービスでお茶をいただけます。
常連さんらしき方々は その辺、慣れてらして
やおら持参のお菓子やパン・おにぎりなどを取り出し
サービスのお茶と一緒に召し上がっておられました。
納めた経は 永代供養していただけるそうで
後々 連絡ハガキが来るとの事。
3巻納めると 納経集印帳を
108巻納めると 輪袈裟をいただけるそうです。
時間はかかったものの、
一文字一文字に集中して書くのは気持ち良いもので
(さすがに108回も来ようとは思いませんが)
また来たいな、とは思いました。
覚え書き。
書きあがる時間がお昼にかからないよう、9時頃から始めた方が良い。
(でないと、お腹が空いて雑念が入る)
・奈良は大阪に比べて 気温がやや低め
寒くなってくるこの季節、室内とはいえ 薄着だと結構寒くなるので
上着を着たままだと書きにくい場合は、羽織れる物を用意する。
(ちょっと寒いくらいの方が集中力を保つのに良いからか、
あまり暖房を効かせていません)
・お寺周辺に食事をするところが無いではないですが
あまり多くもないので、お昼にかかる時間に行く時は
何か軽く食べられる物を持参する。(休憩室で食べられます)