ぼたん:乙訓寺(おとくにでら)
あちらこちらに「乙訓寺→」と表示が出ていて
全く地図を必要としないまま到着。
ここも 門前に『朝掘り筍』の直売店がありましたが
筍は長岡天満宮の方で買いましたので
さすがに ここでは買うことなく、そのまま門の中へ。
門から数歩進んだところで
すぐ牡丹の花がお出迎え。
牡丹のお寺といえば
『奈良の長谷寺』しか知りませんでしたが
ここも すごいなあ、と感心していたら
ここの牡丹は昭和15年くらいに
長谷寺の住職さんから
牡丹を寄進された事に始まったとの事で
やはり関係があったのかと納得。
(当時の長谷寺の住職さんが
乙訓寺の住職さんの伯父さんで
2株牡丹を贈られたらしい)
門からまっすぐ進んで 開けた場所に出たと思ったら 仏塔や本堂があり
右にも左にも 向こう側にも牡丹・牡丹・牡丹の花。
それにしても、ここの牡丹は大事に育てられております。
一本一本に添え木が着けてありますし
日光で傷まないよう、屋根がつけられたり 傘が差しかけられていたり。
どれくらい植わっているんだろうと思ったら 2000株くらいあるそうで
長谷寺の7000株には負けますが、敷地面積を考えると かなりの数。
境内の中央にあるモチノキ。
ほどよい日陰を作っているので、皆さん ここで休憩されます。
ちなみにこの木、応仁の乱の前から生きていて推定樹齢400年~500年。
こちらは蜜柑の木。
『柑橘樹』と わざわざ立て札が立てられているので
何か由緒があるのかなと見てみると
弘法大師さまが 嵯峨天皇に この実を献上したとありました。
もっともこれは当時の木ではなく、その子孫らしいです。
見上げてみると
枝の間に昨年の物と思われる実が
乾燥して下がっていました。
花はまだこれから
白い蕾がいっぱい付いています。
全体をぐるっと回り
毘沙門堂の毘沙門さまや
本堂の十一面観音さまを拝んだ後
本堂の外側の廊下に座って
ゆったりとお花見。
本堂の大きな屋根で
涼しい日陰となっているところへ
時折 いい風が吹いてきて
牡丹独特の 甘い香りが
ふうっと漂ってくるので
何とも贅沢な気持ちになります。
今年の春は 桜に山吹 牡丹と
たっぷり お花見できました。
ところで
よく私のお散歩に付き合ってくれる
貴重なる友人の1人は
自分で 自分を
「男な性格」だとおっしゃいますが
ふと もらす言葉などを聞いていると
十二分に乙女というか
ロマンティックな考え方ができる人だなあ
と よく感じます。
いえ 私も 美しいモノを見て感動はするのですが
『立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花』
という ことわざとセットで
『立てば立ち臼 座れば磨臼(すうす) 歩く姿は家鴨(あひる)に文庫
にっと笑いしその顔は お宮の前の獅子のよう』
という 不美人形容バージョンも教え込むような母に育てられますと
(母は その母 つまり祖母から習ったらしい)
ロマンティックって何?食べられるモノ?
というような 食い気先行で行動するようなムスメになるわけで
「乙女」のかけらも何もあったもんではないと。