オコゲ:湯葉半
あちこち回っている私ですが
おいしい水の出るところには
豆腐・麩・湯葉・酒・和菓子・パンなど
名水を活かすお店があるのだなあ、と実感します。
ところで
京都には【湯葉半】さんという 湯葉の老舗がありまして
お名前はよく聞くのですが、お店がどこにあるのかは知りませんでした。
商品そのものはデパ地下に出ていたり
旅館に卸したりしているという事なので
工場のみで、店舗がないのかなあ
と思っていたところ
わりと よく歩き回っているエリア
麩屋町通、御池上る にお店があるらしいと知り
行ってみることに。
町屋に、「湯葉半」の のれん。
お客さんが来ている様子はなく静かです。
のれんの下がる入口を覗いてみると、そこは広い土間になっていて
高い天井、大きな鍋釜、ぶらさがる湯葉
いきなり作業場でした。
商品が並ぶカウンターなどはなく、
左手に冷蔵庫らしきものがあるので
ひょっとしたら、この中に生湯葉が入っていたりするのかなあ。
この時間(昼)、湯葉作り作業は終わっているらしく
つまり 誰もいらっしゃいません。
そもそも、ここで湯葉を買うことができるかどうか。
と
奥の方に人影が見え、こちらに気付いたらしく
「おうかがいしましょうか?」と出てこられたのは
どうやら こちらのおかみさんらしい。
ここで、湯葉を買うことはできるのでしょうかと伺うと
「買えますよー、何にします?」
汲み上げ湯葉・引き上げ湯葉があるとのこと。
生湯葉ですね。
生湯葉は大好きで、買おうとは思っておりましたが
実は この場所を調べた時
「湯葉のオコゲ」なるものがある、と知りまして
大変 気になっておりました。
湯葉を作る際
最初に汲みあげるのが 『くみあげ湯葉』
次に膜を引き上げて作るのが『引き上げ湯葉』
そして 最後に
なべ底に残った、煮詰まった材料をかきとって集めたものが
『オコゲ』と呼ばれるものだそうです。
長時間加熱されるため、香ばしく 甘味とコクがあるらしい。
実物がどんなものか わかりませんが、一度食べてみたいなあと。
「あの、湯葉のオコゲというものがあるそうですが、それは?」
『ああ、あるよー これ。』
足元にあったケースの中に
ちょっと茶色かかった板状の湯葉がごっそり入っています。
これですか?想像していたのと かなり印象が違います。
茶色くぐにゃぐにゃした汲み上げ湯葉状のものかと思ったら
生ではなく、乾物ですね、これは。
『お砂糖も入っていないし、身体にええで。
おやつに食べてもええし
割って、サラダにかけたりしてもおいしいし
ちょっと、食べてみー』
というわけで、試食させていただきますと
おお、香ばしい。
ぱりぱりさくさく、食感もよくて おいしいですねー
『地方や海外に行く人が よく買っていかはるよ』と おかみさん。
日持ちしますものね。
『外人さんもお土産に買っていかはるなあ。
箱に入れてあるわけでなし、バラバラに壊れると思うけどな』
薄くてパリパリしてますものね…。
お土産に買い求める側としては
この大きい状態を保って持ちかえりたいでしょうけれど。
100g370円ということですので、きりよく100gお願いいたします。
おかみさん、紙袋を片手にささげ持つと
おもむろに オコゲを『わしっ』とつかんで袋へ。
いろんな形状になっている「オコゲ」、
紙袋からはみ出そうになると、ぺきぺき折って詰める詰める。
100gで、とお願いしておりますが
慣れているのか目分量で ずんずん詰める。
と
手を止めて、作業場の窓際へ。
そちらに、骨董品のような計りがありました。
袋を乗せて、重さを確認した後
『ちょっと 多めに入れとくな』と 更に湯葉を追加し
紙袋から上に 思い切り湯葉がはみ出た状態のものを
ビニル袋の手提げにほいっと入れて『どうぞー』
というわけで
お持ち帰りした「オコゲ」
帰る道々、がまんしきれず
つまみ食いしておりましたので
写真の湯葉は だいぶ減っております。
(買った当初は 湯葉オコゲが
もっと上に はみ出ておりました。)
1枚の大きさは こんな感じです。
横は比較用500mlのペットボトル
食感の良さが 勢いを生んで
食べ始めると 止まらないー。
次回は 保冷バッグ持参で
生湯葉も買いに行きます。