不二の水:藤森神社
いわゆる「名水」を汲みに行きます。
これまで京都のあちらこちらへ
お散歩がてら 名水をいただいてまいりましたが
まだ行っていない場所の一つが【藤森神社(ふじのもりじんじゃ)】。
この神社の境内にあるのが「不二の水」なのです。
『二つとして無いおいしい水』ゆえに
「不二」と名付けられたという名水ですが
何度か枯れたことがあり、現在の井戸は3代目らしい。
伏見稲荷へ行った時、ついでに焼き芋屋さんに寄っていこうと
藤森駅周辺を歩き回ったにもかかわらず
この時は この神社に そんな名水が湧いているとは知らず
帰ってから「しまったー!」と 思ったものでした。
6月、アジサイがそろそろ綺麗な季節。
そういえば、藤森神社には紫陽花苑があったのでは?
というわけで
見ごろかどうかはわかりませんが
お水をいただく際、ついでに ちょっと楽しめたらいいな
くらいの気持ちで 行ってみることにしました。
京阪電車の藤森駅と墨染駅の中間くらいの場所
やや 墨染駅の方が近いようですが
今回は藤森駅の方から行きました。
藤森駅から東側に出たら、疏水を渡り
深草商店街の道を南下していきますと
左手に、鳥居が見えてきます。
入口には「あじさい祭」のノボリ。
一応、花は咲いているという事かな?
ともあれ まずは本殿を参拝いたしましょう。
続いて
そもそもの目的である
不二の水が汲める場所へ。
本殿向かって右に
それらしき場所がありました。
今まで いろんな場所で
お水をいただいてまいりましたが
これまで見て来た中でも
一番 野趣あふれる水場。
井戸水、と言っても
たいていの水が汲める場所は
水道のように【蛇口】がついているか
手水舎のごとく
パイプや樋(とい)が延ばされて
そこから汲める形に
整備されていたものですが
例外は釘抜き地蔵尊の弘法さんの井戸くらい
岩から湧きだすが如くの この姿。
よく見ると 水が出る所は
プラスチックのパイプ口が見え
自然に湧いているのではなく
ポンプでくみ上げて流しているのだろうと
わかるのですが
わざわざ、それを
岩をつたって落ちるようにしている
というのが、すごい。
湧水を汲んでいる実感大ですが
岩をつたって滝のように落ちる水
ペットボトルを下にささげ持っても
水が中へ入っていきません。
しかし大丈夫。ちゃんと
漏斗(じょうご)が常備されております。
持参のペットボトルの口に
漏斗を差し込んで
無事 水汲み終了。
その場でも飲んでみましたが
やはり伏見系のお水
さっぱりすっきりした感じです。
岩をつたっているので
念のため自宅に持ち帰った水は
濾してみましたが
濾さなくても大丈夫な感じ。
これで おいしく
お抹茶をいただきました。
そんなに有名ではないようで
実は結構古い この藤森神社。
(約1800年だそうです)
本殿と 不二の水の間にある
【御旗塚】
神功皇后が軍の旗を埋めた所で
神社発祥の場所だとのこと。
「いちのきさん」と呼ばれる
櫟(いちい)の木の切り株があり
腰痛にご利益があるそうです。
境内入ってすぐ右にある手水舎
水鉢の下にある
苔におおわれた緑の敷石は
宇治の浮島にある【十三重の塔】の
『上から五番目の石』だった物だそうです。
(石川五右衛門が盗んできたとの事)
だから
浮島の十三重の塔のそこの石だけは
色が違う、という解説が付いておりました。
今度行ったら、見てみよう。