阿吽の寅と丑:法輪寺
狛ねずみのいる大豊神社とか
逆立ち狛犬のいる宗忠神社とか
阿阿の狛犬のいる清水寺などを巡ったものですが
ここ嵐山にも 興味をひかれる変わり狛犬のおわすお寺が。
【法輪寺】というこのお寺
阪急嵐山駅からすぐの場所にあり
前回 嵐山へ来た時、最後に寄っていくつもりが
時間切れとなって 参拝できなかったところ。
和銅6年(713年)行基によって開かれたというこのお寺は
十三参りのお寺として有名なようですが
私、そちらについては全く知らず
『寅と丑の阿吽の狛犬がいる』というので
それは見てみたいなあ、と。
この法輪寺へは何度も来ている、という友人に確認してみましたら
「羊の像はありますけれど?牛と虎?」
と あまり記憶に残っていない様子。
あれ?私の勘違いだった?
というわけで
いろいろ確かめるべく、法輪寺へ。
地図ではわかりませんでしたが
法輪寺、高台に建てられているため
お寺の境内までは 石段を登っていかねばならないようです。
ここへは何度も来ている、という友人からは
石段を前に
「覚悟して登ってくださいね」
と申しわたされましたので
素直に
今まで行ったお寺の中で
一番長い石段(滋賀県の長命寺。
数えなかったけれど808段あるらしい)
を想定して
気合いを入れて登りましたが
さすがに そこまですごくはなく
あっさり境内に到着。
とはいえ
あらためて写真で見ると
決して少ない石段ではないので
やはり、覚悟はいるかなと。
覚悟しないで
大変だーと感じて登れば
それは それで
登りきった時の感動が大きくて
とっても良いと思います。
正面の本堂の手前には
いました、狛牛さんと狛虎さん。
右手に『阿』と口を開けた虎さん
左手に『吽』と口を閉じた牛さんです。
石段を上がりきってすぐ右の
小さな建物の中には
教えていただいた通り、「羊」さん。
しかし何故羊? しかも一頭だけ。
『変わり狛犬』の一種なら、とりあえず
何かと一対になっていそうなものですよね。
後で調べたら、羊さんは
ご本尊である虚空蔵菩薩のお使い
との事。
『お稲荷さんの狐』的存在だったらしい。
虚空蔵菩薩が姿を変えたもの
という説もあるようで
どちらにせよ、
【虚空蔵菩薩と羊】は
縁が深いという事ですね。
ここのお薦めは
何といっても、展望だそうで
北側へ行くと、展望台があり
嵐山一帯を 見下ろすことができます。
渡月橋が真正面なので、ただの道路に見えてしまうのが残念ですが
高い場所から見下ろす景色は とても広々として解放感いっぱい
気持ちがいいなあ。
宝塔のある南側には
柵で閉じられた場所があり
何かな、と近づいてみると
門の前に立て札。
葛井 と読めます
井戸がある?
間からのぞき込んでみると
小さなお社らしきもの。
後で調べてみると
もともと ここには『葛野井宮』があり
お寺の名前も
「葛井寺」(くずい、或いは かずのいでら)だったそうです。
ここで水垢離を行っていた、という事ですから
たぶん井戸もあるのでしょうね。
いわゆる『名水』ではなく、修行用の井戸なのでしょうけれど
近くの亀の井などを考えると、飲んでもおいしい水かもしれません。
今でも湧いているのかなあ。