四条通のつげ櫛屋さん :十三や 二十三や
「つげの櫛」を買いました。
長く使い込むと、つげは 綺麗な飴色になるそうですが
私の育てている櫛は まだまだ 飴色に程遠い。
いい色になるまで長くこまめに使おうと
バッグに入れて持ち歩くものの ケースが無いので、
櫛の歯が傷みそうで気になっておりました。
で、購入したお店で 専用のケースを手に入れようと
四条通へ向かったわけですが
四条通にある 老舗の櫛屋さんは、二軒あります。
阪急河原町駅より西側にあるのが
【十三や】さん。
明治8年(1875年)創業の
つげ櫛専門店です。
「十三」は
『櫛(くし)』にかけて
九(く) 四(し) で
足して十三、ということ。
サツマイモを
九里(栗)四里(より)旨い十三里
というのと同じなのですか…
四条河原町交差点より東側すぐにあるのが
【二十三や】さん
こちらの「二十三」は
『梳櫛(すきぐし)』を
『唐櫛(とうぐし)』とも呼んだ事から
十(と)九(く)四(し) で
合計二十三
文政5年(1822年)創業
・・・はて
私が十年以上前に購入したのは どっちのお店の方でしたっけ?
実物を持って行って、お店の人に聞けば すぐわかることですが
こういう、同じ品を扱う 同じくらい歴史のありそうなお店
「うちの店の品」でないモノを持ち込まれるのって
気持ちよくないだろうなあ と思うので
あてずっぽうで入って聞くのは はばかられます。
う~ん と 櫛をながめていて 気が付いた。
櫛に、印が入っています。
山形の下に、「半」の字がはいったような形。
何と読むのかわかりませんが これが それぞれのお店の印なら
店頭の品を見れば、わかるはず。
で、結局『山形に半の字』の印が入っている櫛は
【二十三や】さんの品だったことが判明いたしました。
「半」の字は 創立者である「半七郎」さんの名前の一文字。
納得。
もっとも、この昔購入した櫛を お店に持ち込んで伺うと
「今は 両歯の櫛ばかりで、もうこの形の櫛は作っていません
綺麗に使ってくれてはりますねえ」
と 感心されました。
幸い、収まるケースがあったので無事お買い上げ。
櫛の歯の汚れは 糸で(糸楊枝の要領です)掃除していましたが
歯ブラシで掃除したらいいですよ、と教えていただきました。
ちなみに 【十三や】さんの櫛には
山形の下に、「竹」の字 あるいは
「十三や」と店名が入っておりました。