醒ヶ井と和菓子 : 亀屋良長
いろいろ調べていましたら
和菓子の老舗、【亀屋良長】さんに
『大文字』という名前の和菓子があることがわかりました。
その名の通り、上に京都五山送り火の一つ「大」の文字をあしらったお饅頭。
中身の餡が 柚子餡なのです。
デパ地下でも買えるかなーと思ってHPを眺めていると
『醒ヶ井』を復活させた という一文が。
醒ヶ井?京都3大名水の?
京都の名水 醒ヶ井(さめがい) 染井(そめい) 縣の井(あがたのい)
これらの名水所のうち、現役なのは染井だけだと思っていましたが
亀屋良長さんが井戸を掘りなおして、復活させてくださったらしい。
となれば、本店に行くしかありません。
場所は四条堀川。
四条通を烏丸からさらに西へ進んで、もう大宮に近い辺りです。
で、他の目的地(東山の清水寺)から あっつい中、歩いた。
四条堀川の交差点から、北側やや東寄りにある【亀屋良長】さん。
お店の入口左手にあるのが、醒ヶ井の水を汲める場所です
さて、目的の 「大文字」饅頭と 名物の「烏羽玉(うばたま)」を購入
お店の方に、お水をいただいてよいですか?と伺うと
『どうぞ どうぞ、水質検査もしていますから 飲めますよー♪』
持参のペットボトルにお水を詰めて
(染井と違って、神社の手水場のごとく ちょろちょろと流れる水なので
十分水がたまるまで けっこうかかります)
その場でも 一口ごくり。
全然クセが無い、余計な味が全くない水、とは聞いていましたが
本当に 純粋としか言いようのない水です。
亀屋良長さんは、お店の和菓子を全てこの水を使って作っていらっしゃるそうですが
材料の味が よく生きるんだろうなあ。
帰宅して後
持ち帰ったお水で 柳桜園さんのほうじ茶をいれ
烏羽玉をいただきました。
見た目は つるんとした餡子玉ですが
食べてみると、結構 黒糖の味がしっかり感じられます。
漉し餡はきめ細かく、
表面のつるんとした部分の寒天がぴったり餡と一体になって
こんなに小さいお菓子なのに、すごい満足感。
ちなみに
醒ヶ井でいれたほうじ茶を飲んで 仰天しました。
今まで飲んだことのない味になっている。
水の性質があまりに素直で
お茶の本質の味がまっすぐに出た
そういう味になっていました。びっくり。
もう一つ、メインの柚子餡饅頭、大文字。
お日持ち2週間。
『大文字』なので 五山の送り火の日に食べよう。
と 思っていましたが、
待ちきれず開けてしまいました。
「大」の文字がある
…はずなんだけど、ちょっと薄い。
文字の向きは
これで合っているのであろーか。
うっすら柚子の風味がするのかなと思っていたら
案外 はっきり しっかり柚子の味がします。
しかも、かなり みずみずしい。
日持ちが短いことから考えると
柚子の皮を生に近い状態で使っているのかも。